谷川岳 天神尾根 
 
 2010年12月19日 快晴

参加メンバー:仙人,幻舞

西黒尾根〜トマの耳〜天神尾根〜天神平〜ゴンドラ

 毎年この時期(と言っても1ヶ月間の前後はあるが・・・)板を担いで西黒尾根を登り、山頂直下の斜面で初滑りを楽しむのが恒例のようになっている。

 最初は2006年の12月だった。幻舞が仙人の押しかけ弟子になって最初の山行。それまで幻舞はGWの西黒尾根は経験していたが、初冬とは言え、冬の西黒尾根を登るのは初めての経験、スキーの板を担いでの登山も初体験。仙人の後をヨタヨタとついていった。

 この時から今年で5年目。2009年にはBJも加わり、仲間も増えた。残念ながら、現在BJは都合により山を休養中。数ヶ月以内には復帰予定)

 今シーズンは雪が遅かったり、都合が悪かったりで12月中旬になってしまった。

 朝6時、ゴンドラの駐車場に到着。早々に準備して6階の出口にいくと、予想以上に大勢の登山者が準備している。大半はゴンドラ利用の天神尾根だと思われるが、この時期にこれだけの登山者がいるのは珍しい。予報では、移動性高気圧が本州をすっぽりと覆い、絶好の登山日和になるはずなので、絶好のチャンスにみんなが集中したらしい。

 6時30頃、ヘッデンのお世話にならなくても歩ける明るさになったところで行動開始。前日に降った雪で道路には約10cmの積雪があり、本日のものと思われる足跡もたくさんある。この分なら西黒尾根にもそれなりの先行者がありそうだ。
   
 
 鉄塔でザックを下ろして小休止。これも西黒尾根を登る時の
いつものパターンになっている。

 この鉄塔、朝からいきなりの急登で、乱れた息を整えるのに
ちょうどいい位置にある。
 このあたりで積雪は20cmくらい。雪化粧した木々が朝日照らされて、何とも言えない雰囲気だ。 
   本日の装備は、仙人は登山靴で、ショートスキーとスキーブーツはザックの中。

 幻舞は兼用靴で登り、160cmのスキーを担ぐ。

 他には、二人ともスノーシューを持ち、後はアイゼン,ピッケル,ストックと雪山標準装備で、ザックの重さは15kgくらい。

 幸い、先行者の複数人と思われるトレースが続いており、今のところラッセルの心配はしなくても済みそうだが、問題は樹林帯がきれた後のトレースの有無。ラクダの背で引き返すトレッカーは少なくない。

 雪が深くなってきたので、トレースはあったが、せっかく担いできたスノーシューを履く。
 
 樹林帯を過ぎたところでスノーシューを脱ぎ、アイゼンに履き替える。持ち物もストックをしまってピッケルに持ち替え。

 樹林帯では背負っている板が灌木の枝に引っかかり、イライラすることが何度かあるが、樹林帯を抜けてしまえば板を気にせず、快適に歩けるようになる。

 装備を換え、歩き始めるとすぐに鎖場。無雪期はあっけなく通過できる鎖場だが、アイゼンに手袋だと、大勢の登山者に磨かれた岩に引っかかりがなく、以外に登りにくい。

 ここはありがたく鎖を使わせてもらって通過。 
 
   
   
 ラクダの背より山頂を見る。  朝日岳方面
   
 ラクダの背までくると、雪をまとった耳二つと、マチガ沢から突き上げる岩壁が太陽の光を一杯に浴びて、何とも言えない美しさだ。

 こればかりはいくら言葉で説明しても、プロカメラマンが撮影した写真でも、その美しさ、神々しさを実際に目にしていない人に伝えることはできないだろう。 これが見たくて雪山に登ると言っても過言ではないかもしれない。

 ラクダの背から先も、トレースはばっちり付いていた。ここからだと先頭パーティが見えるが、追いつけるかどうか微妙な距離だ。目一杯がんばれば追いついてラッセルを交代できそうだが、7〜8人はいるようなので無理に追いついてラッセルを交代する必要はなさそうだ

 ラッセルも楽しみの一つではあるが、ここは無理せず、ありがたく先頭パーティのトレースを使わせてもらうことにした。結局、西黒尾根を下山してきた登山者のトレースと合流し、ラッセルを代わるまでもなくなった。
 
     
   懺悔岩を横目で見つつ最後の急登を登る。そういえば、懺悔岩にこれだけ近づけるのもこの季節ならではのことだ。

 この急登を登ると、あとはトマの耳まで緩い登りが続くのみとなり、「もう一息」という気分になるが、ここからが意外に長い。

 
 
 緩傾斜帯に出て、天神尾根をみると大勢の登山者が登ってくるのが見える。やはり、登山者は相当多いようだ。

 人が少なければ、肩の小屋の冬期小屋でのんびりしたいところだが、これだけの人が登ってくるとなると、冬期小屋はかなり混み合っているはずだ。人が少なければ、冬期小屋の方が圧倒的に快適だが、大勢の登山者で混み合った小屋ではのんびりする気分にはなれないので、肩の広場の道標の基部で大休止を取ることにする。

 ここで早めの昼食を食べ、ゆっくり休んでからスキーの板だけ持ってトマの耳へ。
 
   
 山頂の道標の前で準備をしている登山者がいて、写真に写り込んでしまいそうだったのでしばらく待ってみたが、らちがあかないので角度を変え、登山者が写り込まないように何とかパチリ。
 
 たまにこういう人を見かけるが、できれば他の人のことも考えて、準備するだけならもっと別の場所にしてもらいたいものだ。記念撮影も無事終わったところで滑走開始。

 仙人はトマの耳直下から、幻舞は50mほど下ったところからスタート。まずは肩の広場の道標までの約100m。道標でデポしておいたザックを回収し、仙人はここから本格的に滑走開始。

 続いて幻舞もとといきたいところだが、幻舞は転けずに滑り降りるのがやっとという悲惨な状況。まあシーズン初滑りがいきなりのオフピステじゃしょうがないやーーーね。と言い訳してみる。

 滑走可能なのは天神尾根側の斜面200mくらい。元気があれば、一本滑って登り返したいところだが、さすがに西黒尾根を登ってくると、おじさんには登り返してまで滑る元気は残っていない。

 一本滑って、後は熊笹が顔を出す中を「天狗の踊り場」までスキーのまま移動し、天狗の踊り場でスキーを脱ぐ。

     
   熊穴沢の避難小屋が屋根まで埋まっている時期なら、山頂〜天神尾根〜熊穴沢〜西黒沢と、駐車場近くまで滑って降りられるが、さすがにこの時期は無理。

 本日の下山は天神尾根からゴンドラ利用の手抜き。天神尾根も、まだ夏道通しなので楽に歩ける。

 天神平スキー場はオープンしているが、客の入りはかわいそうなほど少ない。というか、スキーヤーやボーダーよりも、登山者の方が圧倒的に多いレベル。スキー場の経営も大変だ。
   帰路は、これも恒例の日帰り温泉。本日の温泉は、幻舞の希望で谷川温泉の湯テルメへ。

 谷川温泉は、スキー場からは外れた所にあるので空いているだろうとの読みだったが、読み通り、のんびりと湯につかることができた。

 左の写真は、谷川温泉から見た谷川岳幕岩方面。こちらの景色もこれまた絶品。




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