日光雲龍渓谷


2011年2月13日

参加メンバー:仙人,幻舞


 今回で3回目となる雲龍渓谷。今年は1月の冷え込みで、例年になく氷の状態は良好のようだ。そのためか、山と渓谷の表紙に雲龍渓谷が載り、おかげで氷柱見物のトレッカーが大勢入り込んでいるらしい。

 仙人がネットで調べたところでは、多い日は400人くらいのトレッカーが訪れるらしい。

 こうなると問題となるのが駐車スペース。車で入れる終点のゲート付近は駐車スペースが狭く、上手に止めても5〜7台くらいがやっとという状況。

 遅くなると、かなり遠いところから延々歩く羽目になる。氷柱見物だけなら背中も軽いし、1時間くらい歩行時間が増えても関係ないが、重いクライミングギアを背負って、しかも目的はアイスクライミングなので、極力歩行距離は短くしたい。相談の結果、確実に車を止めるため、前夜発の車中泊とした。

 午前0時に車止めに到着すると、すでに3台の先行車。5時に起きたときには駐車スペースは満杯!これ以降、後になればなるほど遠い所に車を止めることになるが、帰りに確認できたところでは、一番遠くに止めた車はほとんど東照宮だった。


 6時に行動開始。本日の一番乗りだ。前日の降雪で、林道のトレースは埋まっており、部分的に足首くらいまで埋まる。

 ラッセルというレベルではないが、それでも意外に歩きにくい。2〜3人分でも、先行者のトレースがあるのとないのとでは大違いだ。

 我々より一足早く出発したパーティもあったが、このパーティは林道を歩かずに沢へ降りたようだ。

 見た感じ、メットにダブルアックス装備で、てっきりアイスクライミングが目的と思ったのだが、どうやらトレッキング目的の登山者らしい。
  
 歩き始め直後から林道は九十九折りが続く。もともと林道なんて、楽しく歩けるものではないし、景色がいいわけでもないので、一つのカーブを曲がり、次のカーブが目に入ると「まだこの九十九折りが続くのか」とガッカリする。

 雲龍渓谷へは、林道の途中から沢へ降り、沢通しで行くルートと、そのまま林道を進むルートの2通りがある。

 今回は林道ルートを進んだが、沢ルートとの分岐から先は、先ほどまでに増して九十九折りが延々と続く。

 やっと九十九折りが終わったと思ったら、今度はトレースが全くなくなり、吹きだまりでは腰ラッセルになるところもあった。
 
雲龍渓谷手前にある氷瀑。ここも楽しめそう。 雲龍渓谷
 
 
 車止めから2時間半で雲龍渓谷に到着。砂防ダム堰堤上にはテントが一張り。テントの主はもう出発した後のようだ。沢へ降り、本日の目的である垂直の氷柱を目指す。
   
目指す垂直の氷柱群。この氷柱は、オーバーハングした岩壁から滴り落ちる水が凍ったもので、高さは約20mある。 氷柱は「柱」状になっていて、裏側に回り込むこともできる。年によって状況や本数は大きく異なり、去年は左側の氷柱は下に届いていなかった。

 

 登れそうなのは手前の2本。奥の氷柱は、時間の経過で太陽が高くなってくると日が当たるので、場合によっては崩れる危険があると判断した。

 登れそうな手前2本のうち、リードできそうなのは左側の氷柱だが、こちらは先行パーティが登っている。

 右側の氷柱は、リードするにはスクリューの効きに不安がありそうだし、無理せずに脇の氷瀑を登って氷柱の上の斜面をトラバースしてトップロープを張ることにした。

 右の写真の氷瀑を仙人リードで登る。ちなみに、幻舞はアイスのリードはまるでダメ。


幻舞の言い訳

だってスクリューの効きが信用できないんだもん。フリーのルートみたいに信用できる支点だったら「落ちても大丈夫」って思えるからリードできるけど、氷だと「氷が割れてスクリューが抜けたら」って考えちゃって、緊張して全身ガチガチになって・・・・要はへたくそなんだけど。


 そうこうしているうちに、左の氷柱を登っていたパーティが撤収を始めた。

 そこに、我々がトップロープを張ろうとしている右に氷柱をリードしたいと、別のパーティが声を掛けてきた。

 我々としては、右でも左でもとにかくどちらかの氷柱で遊べれば問題ないので、予定を変更して左にトップロープを張ることにして件のパーティと相談の上、お互いにロープを融通しあって両方楽しみましょうということに。
 
 声を掛けてくれたパーティは、地元山岳会のパーティ。こうやってお互いに譲り合えば、効率よく、楽しく、気分よく楽しむことができる。 

 まずは、左の氷柱にトライ。氷が硬くてアックスの打ち込みが大変だが、かなり登られているようで、アックスを引っかけられる部分も多く、足も安定して置けるので、幻舞レベルでもトップロープならノーテンションでギリギリ登れる。



 左の氷柱を登る地元山岳会パーティ。なんと左手は、カジタの  ストレートシャフト! でも、右の氷柱をアックステンション  しながら余裕でリードしていた。

← 右の氷柱を登る仙人


 左の氷柱を一本ずつ登ったところで、ロープをお借りして右の氷柱にトライ。

 登ってみると、見た目よりも状態はよく、仙人ならリードできそうな感じ。 

 仙人,幻舞の順に登り、ロープは回収してくださいとのことなので、幻舞がロープ回収。ちなみに、両方の氷柱とも、支点の立木に直接ロープを回しても、50mロープでギリギリ懸垂下降が可能。

 左の氷柱を、もう一本ずつ登って本日は終了。さすがに垂直20mだと、中年コンビでは一日3本ずつくらいがやっと。

 
 おまけ 氷柱の裏側  気温が上がってくると、細かい氷柱が落ちてくるので結構怖い。



 往路と異なり、大勢のトレッカーに硬く踏み固めらたトレースと、九十九折りをショートカットするトレースで帰路は楽々。本日も楽しい一日だった。 



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