足尾 松木沢支流 黒沢 


2013年2月17日

参加メンバー:仙人,BJ,幻舞

共同装備:ロープ(50m×8.5mm)×2本
    :アイススクリュー 13cm×2本 16cm×4本 19cm×2本,クイックドロー 6セット
個人装備:ロックビナ×4,バラビナ×3,120cmスリング×2本,60cmスリング×3本,ATCガイド,ハーネス
    

 足尾銅(あかがね)親水公園駐車場には7時20分頃に到着。すでに5台先行車が止められており、ワンボックスのパーティは出発準備中。

 この公園には観光客向けの施設もあるが冬期は閉館しているし、観光客が喜ぶような見どころもないため、この時期、この駐車場に止めてある車はクライマーと見てほぼ間違いない。

 松木沢にはアイスクライミングが楽しめる氷瀑が何カ所かあるが、一番人気は難易度が手頃な黒沢で、駐車場の様子からすでに先行パーティが入っていることが予想されたが、黒沢の氷瀑は横幅があるため、一つの氷瀑で一度に2パーティくらいはトップロープを張れるし、まあなんとか遊べるだろうと言うことで予定通り黒沢を目指すことにする。

 さっさと準備を済ませて歩き出すと、先ほどから出発準備をしていたワンボックス車のパーティから「何処へ入るのか?」と聞かれたので「黒沢」と答えると、安心したような様子で「ああ、そうですか」

 返事の様子から、彼らは黒沢ではないらしいが、我々が出発して駐車場が見えるギリギリの所まで歩いてもまだ準備中だった。彼らは何処に入るつもりなんだろう?

 駐車場から親水公園を抜け、砂防ダムの上に出て、適当な所で沢に降りて沢通しに歩き、採石場から再び車道に戻る。駐車場からそのまま車道を歩いても同じ所に出るが、車道をそのまま歩くと大きく迂回しているため、車道を歩くとかなり遠回りになる。

 採石場の先が旧松木集落の跡地だが、現在では当時の様子を忍ばせるものは何も残っていない。

 ここは、この時期はまるで「鹿牧場」のような状態で、アイスクライミングに来るたびに数頭の鹿の群れを目にする。後で分かったことだが、この辺は冬でも雪が少なく餌を得やすいのと、禁猟区でハンターに追われる心配がないのとで遠くは尾瀬からも鹿が集まってくるらしい。

 かつてはカモシカもたくさん見られたようだが、鹿に追われてほとんど姿を見せなくなり、最近になってやっとまたちらほら姿を見せるようになったとのこと。

 松木集落跡までは、許可車両は車で入ることができるが、ここから先は自転車でも通行はほぼ不可能。松木沢のかなり奥まで砂防ダムの工事用道路が延びているが、砂防ダムの工事が終了した現在では道路の補修は全くなされておらず、来るたびに明らかに崩落が酷くなっている。
 
 
 
   
   
   
 駐車場から目指す黒沢までは約1時間半。砂防ダムのすぐ上から松木沢を対岸に渡り黒沢に入る。

 松木沢の河原にテントを張っているパーティがいたので、てっきり黒沢に入るのかと思ったが黒沢には入らず、テントを撤収して下流に歩いて行った、

 おそらく、昨日黒沢に入り、今日は別の氷瀑を登るのだろう。

 駐車場の様子から、すでに何パーティか入ってると思った黒沢だったが、予想に反して我々が一番乗りだった。

 松木沢を渡り、灌木の斜面を5mくらい登って左にトラバース。過去2回はF1の結氷状態が悪くて登れる状態ではなかったため、F1はパスしていたが、今回は2月中旬ということもあってF1はバッチリ凍っている。

 F1は巻き道が悪いこともあり、せっかくなのでF1から登ることにした。
F1


 F1は傾斜も緩く、写真の通り取り付きも雪が深かったため、仮に落ちても怪我をすることはないと判断。ロープは出さずに各自適当に登ることに。まあ怪我をしても外科医のドクターがいるし・・・・・・(ドクター曰く、いくら医者でも何も道具がなければどうしようもないだそうだ。)

 登ってみると、決して落ちる心配をするレベルではなかったが、それでもそこそこ緊張するクライミングとなり、ウォームアップには少し手強すぎたかも。


 
F2全景 


  実質的なクライミングはF2からとなる。

 F2は高さ約35m。今回は氷の状態が非常に良く、氷の表面が滑らかで安定してアイゼンに加重できそうな状態だ。

F2を終了点から



 
 
 氷が細い氷柱の集合体のような状態だと、氷の表面に縦に細かいミゾができており、アイゼンのモノポイントを氷に蹴り込んでも表面の凹凸が邪魔をしてモノポイントが深く刺さらず、アイゼンに加重したとたんに足が外れてバイルにぶら下がってしまうことがあり、リードしていて非常に怖いが、今回のように氷の表面が滑らかだと、モノポイントが深く刺さるため、安心してアイゼンに加重することができ、その分腕の負担が軽減されるため、気持ちよくリードすることができる。

 
 F2のリードは幻舞。黒沢は幻舞がリードできる数少ない氷瀑である。

 登り始めてみると思った通り氷の状態がとてもよく、全体重を足に加重して登ることができる。このため、腕の負担はほとんどなく、アイススクリューのねじ込みも腕の負荷無しで行えるためとても簡単。

 



 続いてF3。F3は高さ約50m。上部に棚があり2段になっていて、ビレイ点は下の段と上の段と1カ所ずつあるが、上の段まで伸ばすとほぼ50mいっぱい。
 
 F3。終了点から見下ろす。




 F3も氷の状態が良いため幻舞リード。上の段の終了点がテラス状になっているため、岩棚に腰掛けてのお気楽ビレイ。といっても、ビレイはATCガイドモードだし、当然セルフビレイも取っているし、ビレイヤーの態度はともかく、安全上は全く問題ない。
 
亜硫酸ガスで植物が枯れ、表土が洗い流されて岩がむき出しになった松木沢両岸の風景。  F3をフォローする仙人。
 

 今回、ドクターは黒沢初見参。せっかくなのでF4まで行ってみることにする。

 F1〜F3は連続しているが、F4はF3から200mくらい上流にある。途中、小さな氷瀑もあるが、ロープが必要なレベルではなく、凍り付いた沢を楽しく登っていける。

 
 F3からF4へ凍り付いた沢を登る。


 
 F4
 この際なのでF4も幻舞リード。見た目は一番簡単そうで、密かに「スクリューいらないかも」なんて考えていたが、氷がボロボロで状態が非常に悪く、スクリューもどう見てもまともに効いているとは思えず、本日一番怖いリードとなった。

 本日はF4まで登ったのでトップロープは張らずに下降して撤収に決定。若者ならともかく、おじさんトリオにそこまでのスタミナはない。
 
 しかし、何度きても松木沢の陰惨な日本離れした光景には圧倒される。

 緑化事業は継続されているようだが、少なくとも、モスバックのメンバーが鉱毒以前の足尾の姿を見ることはないだろう。


 砂防ダムの工事用道路も年々崩壊が進んでいる。数年前はまだマウンテンバイクなら走れそうな状態だったが、現在は全体の7割は押して歩くことになりそうだ。 
 
帰路に見つけたカモシカの子供の死骸。見落とすことはまず考えられないので、我々が氷瀑で遊んでいる間に崖から墜落したと思われる。  帰路に遭遇した約30頭の鹿の群れ。 




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