北岳 白峰三山縦走 |
山行形態:テント泊 日程 :1泊2日 2012年8月25日〜26日 参加メンバー:幻舞,幻舞Jr 行動計画 概要:1日目 広河原〜大樺沢〜八本歯のコル〜北岳山頂〜間ノ岳〜農鳥小屋テント泊 2日目 農鳥小屋〜農鳥岳〜大門沢〜大門沢小屋〜奈良田 詳細 1日目:奈良田まで自家用車で移動。奈良田第2駐車場に駐車 奈良田〜広河原までバス。 実行動時間 山と高原地図コースタイム(2005年版) 広河原 6:40←行動開始 6:30←行動開始予定時間 二俣 2:20 2:30( 9:00) 八本歯のコル 3:20(10:00) 4:30(11:00) 北岳山頂 4:20(11:00) 5:30(12:00) 広河原〜北岳山頂 4時間20分(休憩時間含む) 北岳山荘 5:20(12:00) 6:25(12:55) 中白根山 6:30(13:10) 7:05(13:35) 間ノ岳 7:00(13:40) 8:05(14:35) 農鳥小屋 8:00(14:40) 9:05(15:35) 農鳥小屋 着 14:40 到着予定時間 15:45 2日目 実行動時間 山と高原地図コースタイム(2005年版) 農鳥小屋 3:40←行動開始 4:00←行動開始予定時間 農鳥岳 1:20( 5:00) 1:30( 5:30) 大門沢下降点 2:00( 5:40) 2:10( 6:10) 大門沢小屋 3:50( 7:30) 5:10( 9:10) 奈良田発電所 6:10( 9:50) 8:10(12:10) 奈良田 6:40(10:20) 8:45(12:45) 奈良田第2駐車場着10:20 到着予定時間 12:45 |
最近、ある方から「自立した登山者になれない人」についての話しを聞いた。無雪期,一般登山道の登山でもプロガイドや同行者に頼りっぱなしで、自分で山行計画を立てることもせず、いつまでたっても自立できない登山者が我々が思っている以上に多いらしい。 実際、この時の山行でも、50台後半とおぼしき中高年登山グループから「白根御池から草すべりルートと、大樺沢ルートではどちらが山頂に近いか」ということを聞かれた。 こんなことは事前にコースタイムを確認すれば分かることだ。にもかかわらず、こんなことを聞いてくると言うことは、コースタイムなんて全く調べていないということになる。 参考までに、今回の山行計画と実績を載せてみた。 幻舞の場合、初めてのルートで山行計画を立てる時は、まずコースタイムを計算することから始める。コースタイムを足し算し、自分の体力に応じて調整して、1日の行動時間を8時間程度とすれば、その日の行動可能範囲が決まってくるし、泊まりであれば泊地も決まってくる。 また、目的地に到着したい時間によって何時頃から行動すればよいのかもわかるし、ポイント毎の到着予定時間が分かれば、予定より早いとか、遅れているとかも確実に把握でき、予定よりも遅れていたり、早かったりすれば、それに応じて対応も可能である。 逆に、コースタイムが分からなければ、そもそも計画の立てようがない。私にルートを聞いてきた中高年グループは、雑誌の記事やガイドブックに参考として記載してある行動予定を丸呑みにして計画し、自分たちではほとんど何も調べていないと思われる。 偉そうな能書きはこのくらいにして・・・・・・ |
広河原から北岳山頂を目指す場合、大樺沢ルートと草すべりルートの2つがある。 幻舞の場合、草すべりルートはバットレス登攀の下山路としてしか歩いていないが、樹林帯のダラダラ登りが延々と続く草すべりルートは、登りに使うにはお勧めできない。 大樺沢ルートは八本歯のコル下に急登があるが、迫力あるバットレスを右手に見ながら登るのは、いかにも登山という気がするし、何よりも景色が素晴らしい。 広河原から北岳山頂を目指すのなら、無条件に大樺沢ルートがお勧めである。 |
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大樺沢から見たバットレス第四尾根。中央がDガリー奥壁 |
八本歯のコルから北岳山頂を踏み、北岳山荘(肩の小屋ではないので注意)方面を目指す場合、山頂から数百m(記憶では200mくらい)引き返すことになる。 山頂に長居する気が無いなら、分岐にザックを置いて、空身で往復するのもお勧め。 |
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北岳山荘。 北アルプスの山小屋のつもりで、お昼はガッツリカレーでもと思っていたら、カップ麺しかなかった。 カップ麺でも十分腹の足しにはなるが、気分はすっかりカレーなのでちょっと悲しい。 余裕のある日程を立てられれば、1泊目はここがお勧め。 北岳山荘泊でも、翌日の明るいうちには奈良田まで下山できると思う。 奈良田は無理でも、大門沢小屋にもう一泊すればかなり余裕を持った計画が立てられる。 |
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夏の午後のお約束でガスがでてきた。 しかし、ルートは明瞭だし、アップダウンも緩やかで、北アルプスの稜線のように3点確保を要するような岩場もなく、登山経験にほとんど関係なく、日があるうちなら全く問題なし。 |
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間ノ岳山頂 景色が見えないのが残念。 |
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悪名高き(?)農鳥小屋が見えてきた。 数年前は天水が買えたが、今回は買えないようだった。元々水場に水汲みに行くつもりでペットボトルを用意していたので問題なかったが、天水をあてにして余分な水容器を持っていないと、往復20〜30分の水場まで2往復とか3往復とかする羽目になる。 夕食用と朝食用、翌日の水2Lで、一人あたり4L分くらいの水容器は欲しいところだ。 |
農鳥小屋の悪名について。 とにかく小屋の親父が口うるさいらしい。あくまでも噂であるが、到着が15時を過ぎると怒鳴られたりするらしい。今回も、受付に人がいなかったので、とりあえずテン場にザックをおろし、息子にテントの設置を任せてあらためて受付に行き、手続きをお願いすると空身の幻舞を見て「受付と言ったってもうテントは張ってきたんだろう」と不機嫌そうに一言。 「ザックは置いてきたけどまだ張ってないよ」と答えると、とたんに態度が変わって物言いが柔らかくなった。 息子に設置を任せてきたので「まだ張っていない」は正確ではないが、それにしてもちゃんと手続きをすれば、テントを張るのと手続きとどちらが先でも問題ないと思うが・・・・・槍ヶ岳山荘のように、小屋でテントの場所を指定されるのなら手続きを先にしないと問題だが、ここは場所指定はないし、テン場が埋まるほどテントも多くないし。 そんなことよりも、小屋で犬を飼っている方がよほど問題だとおもうけど。 小屋の印象は「ちょっとこの小屋には泊まりたくない」というのが正直なところ。名物(?????)のトイレのこともあり、ちょっと見た目が汚い感じがして、ここで調理されたものを食べるのは抵抗がある。小屋泊まりであれば、幻舞は迷わず北岳山荘を選ぶ。 夜、息子に3000mの星空を見せたかったが、残念ながらガスが切れず、21時の時点では濃いガスでヘッデンの明かりだけでは登山道を追いかけるのがやっとの状態。トイレでテントを出たついでに農鳥岳方面に少し歩いてみたが、夜の登山道を歩いた経験のない息子にはリスクが高いと判断。翌日は午前4時出発予定であったが、このままガスが切れなければ明るくなってから行動開始することにする。 午前2時にもう一度外を確認すると、ガスはすっかり切れて満点の星空が広がっていた。息子を起こして星空を見せると、以外にしらけた反応が返ってきた。演技でももう少し感動してくれると嬉しかったが、まあしょうがない。 |
2日目、奈良田までのコースタイムは約9時間。稜線歩きは大門沢下降点までなので、雷は考慮する必要はなく(雨が嫌なら別だけど)17時頃までに奈良田に降りればOKなので、本来なら、明るくなってから行動開始でも十分間に合うが、息子にヘッデンでの山歩きを経験させるため、あえて4時行動開始予定とした。 3時に起床し、予定よりも若干早く3:40に行動開始。基本息子に先行させる。 予定よりも早く、5時に農鳥岳山頂に到着。期せずしてご来光を拝めた。 農鳥岳山頂ではご来光を眺めたり、写真を撮ったりしながら20分ほど過ごす。 |
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5時40分に大門沢下降点。ここからは下山となるが、奈良田まで地獄の下りが延々と続くことになる。 とにかく歩きにくいし、つまらないし、長いしの三重苦。幻舞のあてにならない記憶では、大門沢小屋まで行けば、そこから先はかなり歩きやすくなったという印象があるので、とにかく「大門沢小屋まで」を目標にひたすら我慢の下りに耐える。 |
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大門沢小屋で冷たいジュースを飲みながら小休止。あとは一気に奈良田を目指す。予定よりもだいぶ早く、10時20分には駐車場に到着。 幻舞はこのルートは今回が2度目だが、もう大門沢を下るのはこりごり。 車で奈良田温泉まで移動し、奈良田温泉で汗を流してから帰路につく。 最後に、奈良田の駐車場情報など。 奈良田には、登山者用無料駐車場が2カ所あり、広河原までのバスは第一駐車場が始発となる。我々は午前3時に駐車場に到着したが、その時はすでに第一駐車場は満杯で第二駐車場に車を止めた。 第二駐車場はかなり広いので、駐車場が一杯で車を止められないということはなさそうだが、問題はバス。第二駐車場にバスが着たときは座席は全て埋まっていて、第二駐車場から乗車した登山者は広河原まで1時間弱立ちっぱなしとなった。 この時は「もっと早く来て第一駐車場に止めればよかった」と思ったが、下山して考えが変わった。 第一駐車場と第二駐車場は1km近く離れており、もし第一駐車場に車を止めていれば、疲れ切った足で更に1km歩くことになる。この辺は人それぞれ考え方があると思うが、初日に広河原まで立ちっぱなしになる分でも、幻舞は第二駐車場をお勧めする。 |