日光白根山 西面3ルンゼ

2015年 1月25日

仙人、BJ、幻舞
 
 日光白根山 西面3ルンゼとは、丸沼スキー場のゴンドラ山頂駅から日光白根山を見上げると、真ん中に巨大なガレ場があり、上の方で2筋のルンゼになっているが、その一番左側のルンゼのことである。
    
 日光白根山を西面から見ると、山頂は3つのピークになっているが、真ん中と左側のピークの間にあるルンゼが3ルンゼ。

 ただ、この「西面3ルンゼ」という呼称が一般的なものなのかは不明である。

 数年前に仙人と幻舞がこのルートを登攀し、その山行記をブログにアップしたときに適当なルート名称が見つけられなかったため、仮に付けた名前が「西面3ルンゼ」だ。
   
 ネットにアップされているこのルートの登攀記録は例外なく「西面3ルンゼ」となっている。ちょっとググって見た限りでは幻舞のブログが一番古いようだが、たまたま幻舞が仮に付けたルート名が一般的な呼称と同一だったのか、幻舞の記録を見て「西面3ルンゼ」と書いたのか分からないが、自分が付けた仮のルート名がいつのまにやら、正式なルート名となったと考えていた方が気分がいいので、今後はそう思うことにする。

 ネットを調べても、このルートの登攀記録はあまりヒットせず、このことから考えて、このルートを登るパーティは非常に少ないことが想像される。たぶんシーズンに多くても10パーティ以下であると思う。

 このルートは、冬のバリエーション入門ルートにちょうど良いレベルで、ピッケルを積極的に使うようなレベルの雪壁登攀経験がある人なら、ロープ無しのピッケル1本でそう無理なく登ることが出来る。

 我々も、兼用靴に板を担いで、ピッケル1本で登っている。(もちろんロープは無し)


 
  
 西面3ルンゼは「地獄なぎ」までは夏道通しで、地獄なぎから夏道を離れて左写真の斜面を直登する。

 今回、この斜面はシールで登高したが、さすがに直登は無理だった。


   
 
 樹林帯を抜けた所でスキーを脱ぎ、ツボ足アイゼン登高に切り替える。

 写真は西面中央部の大ルンゼに入ったあたり。 

 夏はガレが酷くて登ることは出来ないと思われるが、この時期は雪と氷でコンクリートされており、雪もよく締まっていてたまにクラストを踏み抜くくらいで快適に登れる。
   
   
 西面中央大ルンゼ上部  中央の岩峰を左に入ると西面3ルンゼ。
   
   
 西面3ルンゼ下部。正面の岩壁付近が氷化しており、予想以上の緊張を強いられた。 
   
   
 氷化した雪壁。この日はセルフビレイを取れる装備を持っておらず、急な雪壁に緊張しつつやっと写した1枚。 

 こんな所でバランスを崩して転倒したらまず止めることは不可能。

 
   
 余談であるが、一部の登山者は「ピッケルは滑落したときに停止するためのブレーキ」と思っているようだ。確かに、滑落停止もピッケルの重要な使い方の一つであるが、幻舞の経験からすると、ピッケル制動はよほど条件が良く、理想的に対応できたときしか滑落を止めることはできない。

 数回、雪の斜面でスリップして滑落し、ピッケルで止めようとしたが、スピードを遅くするのがせいぜいで、足を蹴り込んでやっと停止するという状態だった。 
 
 
 氷化した雪壁からさらに二俣に分かれる。どちらからも登れるが、比較的左側が容易である。

 数年前に初めてここを上ったときは右側、この日は左側を登った。
 
   
 
 稜線から登ってきた斜面を写す。  左の写真の位置から右側を見る。右側の岩峰が夏道
   
 
 このルートの魅力はなんと言っても景色の良さ。天気がいいと岩壁に挟まれたルンゼの中は独特の雰囲気があり、日本離れした景色を楽しむことができる。

 また、ほとんど雪崩の心配をしなくて良いのも魅力の一つで、もう少し注目されてもよさそうなルートである。

 



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