滝谷ドーム中央稜

参加メンバー :
 仙人,幻舞

行動計画

2008年7月12日 上高地〜横尾〜涸沢〜南稜〜北穂高小屋
   7月13日
  北穂高小屋〜滝谷ドーム中央稜登攀〜涸沢〜横尾〜上高地
 
 梅雨明け宣言も間近な7月中旬、海の日連休の大混雑を避け、静かな山が楽しめるこの時期に滝谷ドーム中央稜登攀を計画した。幻舞はこの登攀が滝谷初体験となる。

 また、いつもはテン泊山行の仙人,幻舞の師弟コンビだが、連休前で山小屋も空いているだろうとの予想から、今回は豪華に山小屋泊とし、ちょっとリッチな山行を楽しむことにした。


7月12日(土)

上高地    5:20
徳沢     6:52
横尾     7:42
涸沢    10:18
北穂高小屋 14:32


 前夜、沢渡の駐車場に着くと駐車場はガラガラ。朝までに数台の車が入ってきたが、夏のシーズン中とは比較にならないほど車は少ない。

 タクシーに乗り合いで上高地へ。タクシーが定額制になってから、4人で乗ればバスと料金は変わらないし、早く快適に移動できるので、沢渡から上高地へはもっぱらタクシーを利用している。場所柄、タクシーの運転手も山の情報に詳しく、運転手から情報収集ができるのもタクシーのメリットの一つ。


 上高地から横尾まで、いつもの長い林道歩き。いつもは大勢の登山者が歩いているこの林道も、今日は他の登山者をほとんど見かけない。
       
       
   屏風岩を横に見つつ、やっとそれらしくなった登山道を歩く。

 仙人は数回、屏風岩を登攀した経験があるが、幻舞は未経験。
 
 
   いつもは登山者でごった返している本谷橋も、今日は他に登山者の姿は見えない。

 
   
   涸沢まで来ると予想以上に雪が残っている。目指す南稜にも残雪がタップリ。一抹の不安を感じつつ、ヒュッテ名物のおでんで早めの昼食&大休止。時間はタップリあるのでのんびりと過ごす。
     南稜の雪渓にはちゃんとしたステップが切ってあったが、登山靴ならまだしも、アプローチシューズでピッケルもストックもなしでの雪渓歩きは緊張する。 

 緊張の雪渓歩きも終わり、14:20頃に松濤岩、北穂山頂に14:30頃到着。


 北穂高小屋で宿泊手続きを済ませ、小屋のテラスでビールで乾杯。

 予想通り小屋はガラガラで、本日の宿泊客は仙人と幻舞をいれて5人だった。
   
 
7月13日(日)


北穂高小屋   6:00
懸垂下降点   6:48
取り付き    7:00
中央稜終了点  9:32
上高地     記録なし18時頃(?)


 朝4時に起床し、ご来光鑑賞&写真撮影。6時に行動開始。登山道を奥穂方面へ進み、最初の鎖場を降りたところから登山道を離れ、踏み跡を頼りに懸垂下降点へ。

 今日のドーム中央稜は我々の貸し切り状態であるため、ロープとクライミングギアだけ持ち、足元もクライミングシューズに履き替えてザックは登山道との分岐点にデポ。

 踏み跡は何本もあり、正しいルートがわかりにくいが、なんとか懸垂下降点を発見。懸垂下降点は、ハンガーボルトでしっかりと作られており、これなら安心して下降できる。

 取り付きに到着し、クライミング準備。クライミングは「つるべ」で幻舞から。
     
  ←1ピッチ目

 事前の情報ではチョックストーン下のチムニーが核心とのことだったが、ザックを背負っていなければ全く問題なし。


    
2ピッチ目→
 
 細かいフェースで、1カ所シューズのフリクション頼りのムーブがありリードだと緊張する。
 
   ← 4ピッチ目 →

3ピッチ目は単なる歩きなので省略。

4ピッチ目は板状チョックストーンの乗り越えが核心。

 簡単なムーブだが、力まかせの乗り越えが楽しい。

 本来は仙人のピッチだが、幻舞が楽しめるように途中でリードを交代した。
 
 
 


← 5ピッチ目

 顕著な凹角を登る。このピッチもあまり考えずにガンガン登攀でき、快適そのもの。

 今回は、幻舞が滝谷デビューと言うことで、すでに何回か登攀している仙人は「つるべ」にこだわらず、楽しいピッチをすべて幻舞に譲る。

 おかげで幻舞は終始はしゃぎまくり。幻舞にとっては最高の登攀となった。


 天気にも恵まれ、ルートは貸し切りで快適そのもの。5ピッチ目終了点直下は、滝谷に向かってスッパリと切れ落ちており、最高の高度感が味わえる。

 クライミングの楽しみ方は人それぞれであるが、我々は「命がけ」のギリギリのクライミングは好まない。

 かといって、北岳バットレス第四尾根のように、全く緊張感もなく、途中ランニングも1カ所言い訳のように取るだけでなんの不安もなく登攀できるというのでは、これまた面白くない。

 その点、ドーム中央稜は、取り付きまでのアプローチも特に緊張するような所もないし、ルートも適度な緊張感があり、かといってギリギリの登攀を強いられるようなレベルでもなく、とにかく楽しいルートだ。

 充実した楽しいクライミングも終了し、あとは釜トンネルのゲートが閉まる前に上高地へ下るのみ。
   
   さて、下山だが、南稜をえっちらおっちら下るのもかったるい。そこに目に入ったのが左の写真の雪渓。
 
 この雪渓を下れば、涸沢まで一気に下れると色気を出したのが敗因だった。

 いざ下りだしてみたら、とてもアプローチシューズで簡単に下れる雪渓ではなく、ドーム中央稜どころではない緊張の雪渓下りを強いられた。

 変な色気は出すものではない。 
 

 当初のもくろみは外れ、かなり手間取ったものの、何とか無事涸沢小屋まで降りられた。予想外の緊張で疲れたため、涸沢小屋でソフトクリームをなめつつ大休止。ここで単独のトレッカーからタクシーの乗り合いを提案された。

 この時間だと、最終バスに間に合うように上高地へ下ることはまず無理で、こちらも断る理由はなく、上高地まで仲間も増えて山の話に花を咲かせつつ楽しく下山。

 最後にちょっとスリルはあったものの、楽しい山行だった。
 





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