栗城史多 |
なにかと話題(悪い方で)なっているこの人物、なんでこんなに叩かれるのか?と思って調べてみたら・・・・・幻舞が調べた限りでは「まあ無理もないわ」というのが正直なところ。 とにかくこの人物、脇が甘いというか、自分をわかっていないというか・・・・TVで取り上げられて天狗になっちゃったのかな?という感じ。 K2サミッターの服部氏がTVで栗城氏(&野口氏)のことを「市民ランナーレベル」「3.5流」と評していたが、全くその通りだと思う。 6大陸最高峰、8000m単独無酸素といっても、それはベストシーズンのノーマルルートからであるし、ベストシーズンのノーマルルートで「単独」ということについては、ロック&スノー31号で池田常道氏が「トレースがあり、フィックスロープがセットされたルートで単独ということはあり得るのだろうか?」と書いていた。(幻舞には大陸最高峰どころか、海外の山に登った経験すらないのでこの辺の定義については一流登山家の意見をそのまま拝借する) アルパインにおける「単独」とは、ベースキャンプから上は他者の助けを一切借りない(当然セットされているフィックスロープや梯子等も使わない)という定義があるそうだが、この定義からすれば登山者が集中する「ハイシーズン&ノーマルルート」での「単独」は、かなり困難であると思う。(NHKグレートサミットでマッキンリーを見たが、各キャンプ地ともテント村状態だったし、視界から他の登山者が見えなくなることはなかった。番組の中では登山経験の少ない若い女性も登頂していた) ただ、この定義は登山の歴史の中でできあがってきたものであって、他のスポーツのように「ルール」として定められたものではないそうだ。だから、極端な話し、幻舞が「俺の単独とは1人で山頂を踏むことで、山頂直前までの手段は問わない」と決めて、山頂直前までヘリコプターで運んでもらって、最後の10mくらいを自分で歩いて登って、ネットなどで「単独登頂した」と発表しても「嘘ではない」ことになる。 幻舞がこの手段で「単独登頂」を騒いだとしても「馬鹿が騒いでるよ」くらいでなんの問題も起きないだろうが、栗城氏がアルパインでいうところの「単独」とは違う定義で、TVという個人のブログやHPとは全く比較にならない影響力の大きいもので、今流行のどや顔で「単独無酸素」ってやったら、命を賭けて単独無酸素に挑んでいる登山家は「ふざけるな!!!」って激怒するのもうなずける。 栗城氏の登山がアルパインでの「単独」にあたらないことは2ちゃんねる等で色々と指摘されているが、幻舞が確認した範囲でも3回目のエベレスト挑戦の時、アイスフォール通過にアルミ梯子の「橋」を渡っていた。これでもうアルパインの「単独」はアウト。(栗城氏が独力でアルミ梯子の橋を設置したのなら話しは変わるが、まずそれはあり得ないでしょう) あと記憶が曖昧であるが、登山中ベースキャンプに翌日の気象状況を問い合わせていた。ベースキャンプへの気象状況の問い合わせについては、故長谷川氏がグランドジョラス北壁冬期単独登攀の時も問い合わせていたが、(ビデオを見た限りでは)長谷川氏の場合は「天気図」を聞いていた(低気圧が何処にあるかみたいな)のみで気象判断は自分で行っていたが、栗城氏はそのものズバリ「天気予報」を聞いていた。 栗城氏は「単独」なんて紛らわしい表現をしないで、素直に「ガイドレス」と言えばいいのにと思う。あくまでも「単独」を主張するのであれば、もう少しばれないように上手にやらないとダメでしょ。 そのくせ、ブログやらツイッターやらで「エリザベス・ホーリーさん達にほめられた」なんて紛らわしいことを書き、疑問を持った人がホーリー女史に直接メールを送って確認し、「栗城氏と会ったのはスタッフで、(ホーリー女史は)直接会っていない。(登山を)記録するのみで評価(ほめる等)はしない」と返信があり、これを2ちゃんでさらされていたりと非常に「脇が甘い」(ホーリー女史のメールに関しては真偽のほどは未確認) 服部氏の発言でも「テレビに出ると自分をよく見せようとして人を悪く言う」みたいなことを書き、これも攻撃の対象になっていた。これだって「服部氏にせめて2流と言ってもらえるくらいになるように精進します」とか書けば「おー、大人の対応できるじゃん」ってことになっただろうに・・・・・ マスコミから見れば、登山の内容がどうであれ、注目されて視聴率が稼げればそれでいいんだろうけど、登山を全く知らない人たちが栗城氏に「勇気をもらった」とか言って祭り上げている今はともかく、そのうち実態がわかってきて離れていき、全く注目されなくなったときにどうなるかを考えると、人ごとながら栗城氏が哀れに思えてくる。 (最後には「単独無酸素の嘘を暴く」とかの番組を作っちゃったりして。今のマスコミを考えるとありそうだから怖いよね) |